ようこそ実力至上主義の教室へ、通称「よう実」2年生編8巻、ネタバレ感想記事です。
よう実2年生編8巻試し読み|コミックシーモアほとんど2年生だけで構成される、修学旅行編です!
今巻は特別試験もないので、ピリッとすることは比較的少ない箸休め巻。
しかしいつも通り盛沢山な内容で、各キャラの立ち回りが非常に面白かったです。
それではここからネタバレありの感想になります!
底知れないキャラクター・七瀬
「本当に松尾は自殺したのか?そしてその息子である栄一郎は死んだのか?
第三者と思っていた七瀬の発言で松尾の死に関して真実味は増したが、おまえが最初から計算の上でこの場にいるのなら信憑性は全て失われる」
綾小路に対して完全なる味方だった立ち位置だった七瀬。
しかし今巻で一転、行動から疑惑がでてきました。
彼女は何かを隠しています。
考えてみれば、七瀬が語ったことが真実であれば
綾小路は、「幼馴染の栄一郎とその父を殺した人の息子」です。
しかし七瀬は綾小路の実力を認め、無人島試験から後、彼が無事に高校生活を送れるように手助けをしています。
いったいこれはどういう感情でやっているのか。
栄一郎は綾小路父の圧力により、高校に行けなかったのにも関わらず…です。
誠実性に欠けるよね。混乱してるのかも、と思ったけど…
「まさに天沢が言ったナイトの役割を与えられていたーーーという話だ」
つまり、今まで綾小路側で把握していた情報が真実でなく、七瀬はもっと様々な思惑の中で別の役割を与えられていた。
そう考えれば、彼女の行動原理にももう少し説得力がつくのではないでしょうか?
七瀬翼には、まだ何かがある。
八神拓也が考えていたこととは?
前巻(2-7巻)にて退場した八神について、天沢の視点で述べられます。
「拓也は怖かったんだと思う。綾小路先輩と戦うことが。
(略)
恐怖心から逃れるために、自分でも気が付かないうちに遠回りして遠回りして……」
4.5巻では、八神が綾小路に回りくどい手段を取った理由として、月城がフェードアウトするまで時間稼ぎしていたと言っていましたが、
天沢は↑の理由が本質の原因だと思っているようです。
八神自身、自分の「怖い」という感情を、自覚していない可能性すらあるかもしれません。
けれど、小さいころからひたすら綾小路が『凄い存在』と刷り込まれてきたなら……
恐怖を怒りや憎しみに置き換えて頑張ってきたんだね…!
八神はスペックが高いのに笑顔がうまくできなかったり、愉快犯ぽいのに不器用で可愛そうな、生きにくそうなところがありました。
退場してしまったのは山内の比ではなく残念です。
龍園の見どころ盛沢山
今回綾小路と同じ修学旅行グループだった龍園。
綾小路との絡みがとても多くて、凄くうれしかったです。
はしゃぎまくって枕投げしているところなんて大笑いしました。
「猛り狂った大蛇、奴を喰らえーーー!」
ノリノリじゃないですか。
思い返してみると、ドラゴンボーイはこういうところもあった気がします。
「大衆の面前で相手にするおまえは微塵も恐れる必要がないからな。楽で助かるぜ」
などと言って、綾小路をパシろうとするのも楽しいですね。
なにより他校生の胸ぐらを掴む挿絵かっこよすぎます。
相変わらず綾小路にも興味津々な模様。
「ヤバそうな連中が一年を引きずっていくくらいだ。しかも、学校側はそれを黙認するような態度を取ってきやがった。きな臭いテメェの正体を一瞬見た気がするぜ」
7巻で八神を捕まえた一件により、綾小路という謎めいた人物の裏にあるものが露呈してきました。
ここにウィークポイント(弱点)を期待するのが、本当に龍園の龍園たる所以ではないでしょうか?
そして、今巻で一番好きなシーン。
山村が手袋をしていないのに言及するところです。
①気にしていないふりしながらも、阪柳が自クラスの時任を篭絡しているのが面白くない。
②そんな時に阪柳クラスの山村が手袋を忘れている。恩を売れる、もとい仕返しできる絶好のチャンス!
③しかし声をかけたまではいいが、「自分の手袋を貸す」という行為が、自分にあまりにむいていないことに気づく。
その上綾小路が見ている(◉ω◉`)
④結果、綾小路に丸投げ。
ツンデレ龍園さんがここに……!
龍園が自分の手袋に視線を落としているところで、震え笑いをおこしました。
ヒロインに返り咲いた櫛田
個人的には今回のベストオブヒロイン!
満場一致試験から紆余曲折を経て吹っ切れた櫛田は、裏表を上手く操る魅力的なキャラクターに進化したように思います。
「堀北さんと伊吹さんが私の静止も聞かずに勝手に始めたことにするから大丈夫。困った顔をしてオロオロしておけば、それを見られても平気だから」
このセリフがとても好きです
本来やりたくない嫌いな人達のフォローをせず、巻き添えを食わないように立ち回る。
そのことを悪びれもせず宣言する。
そんな生き生きとした櫛田を見ると、ほっとしますね。
綾小路からも距離を詰められていたように感じます。
「そうでもない。素直に好感が持てる」
「これは事実だ。世の中にはおまえの本性の方が居心地が良いと感じる者もいる」
これだから人たらしは……
(こんなので)落ちる櫛田……
努力を重ねる堀北がかわいそうになります。
余談ですが、綾小路は龍園と鬼頭のやりあい()を見る櫛田を見て、
櫛田は困った顔をしているが、その目を見て思う。
死ぬほど面倒なことになってきて鬱陶しい、と感じているであろうことを。
なんて言っていますが……綾小路自身が「死ぬほど面倒」と思ってるだけじゃないでしょうかね……?
目で語れるものは限度があるよ!!
綾小路のチートっぷり
スペック高すぎで龍園も強敵と認識しないチート野郎が、櫛田・山村・鬼頭・一之瀬……八方美人に攻略に乗り出しているのを見ると複雑な気持ちになります。
リアルに考えると苦手ですが、ラノベの主人公としては大好きです。
珍しく表立った見せ場がありました。
グループ行動について揉めている龍園と鬼頭をよそに、グループ全体に最適策を提示するときのかっこよさ!知的!
さらに裏の見せ場はこれです。
「おまえは学年末試験で阪柳と戦う目的が達せられなくなる」
「あぁ?なんでそうなるのかわかんねえな」
「オレがおまえの望まない形で対処することになる」
こちらの言葉に呼応するように、龍園の笑みが瞬時に怪しく変貌していく。
いいですねぇ!
綾小路VS龍園はいつもワクワクします。
本気を出す綾小路の「事実を述べているだけ」みたいな煽りと、龍園の心底楽しそうな笑み。
何度でも観たいです。
そしてこれを観てたら惚れるのも必然。軽井沢しかり、櫛田しかり、ということでしょう。
今巻では強キャラムーブ以外に天然も色々とかましている綾小路ですが、下の部分は純粋な疑問なのか、渡辺をからかっているのか気になるところです。
「龍園や鬼頭と話が弾むビジョンは見えないんだよ」
「それはオレなら見えるのか?」
「え?……えっと……まあ……あの2人よりは?」
渡辺、顔絵すら出ないにも関わらず、非常にかわいそうなポジションだなと思いました。
追記:渡辺表紙を飾りました!▼
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綾小路に依存する軽井沢
「清隆いないと、寂しくて死んじゃうかも」
かわいい~~!
グループ別行動という展開上出番は少ないですが、デレデレ軽井沢はとてもかわいいです。
それに対して綾小路が頭をなでながら言ったこのセリフ。
「おまえの能力には目を見張るものがあるからな。折角なら有効活用したい」
本音ーーー!
これに軽井沢が素直に喜んでしまうのも非常に複雑です。
お互いが楽しければそれでいい……のでしょうか?
綾小路先生を信望する石上
あとがきにて、名前が間違えられていたことが発覚した石上くん。
綾小路父を「綾小路先生」と呼び心酔する、政界や財界に近い側の人間だと予想されています。
天才型で神崎の塾の後輩と、情報がたくさんででてきましたね!
神崎に相当煙たがられているので、性格の方が気になるところです。
先輩である坂柳にも不遜な態度……綾小路先生から悪影響受けてませんか…??
0巻にてさらに明確になりました! ▼
よう実0巻ネタバレ感想。ホワイトルームのカリキュラム内容とは?
さらに今巻では政治家・直江の訃報もテレビで報じられました。
綾小路篤臣の元上司だ…!
これを受けて綾小路篤臣が表舞台に出てくることも考えられます。
綾小路と神崎の接点が発覚
神崎エンジニアの息子だと判明しました。おぼっちゃんなんでしょうか?
こういうことを言いふらさそうな男ですよね。
清隆が綾小路先生の息子と知り、頭抱えて天井を見上げたり、嬉しそうにしたり……
それに戸惑う綾小路と、このシーン地味に面白いです。
一年生編のキービジュアルで登場してたにも関わらず二年生編まで空気だったのが謎でしたが、ここまで設定があったのなら納得です。
独白も久しぶりにグッときました。
「あまり自分をアピールせずに、人と距離を置くタイプ」というのは前巻の独白を務めたみやっちと同じです。
しかし、子供のいざこざをの一件から感じる、彼なりの価値観や正義感。
綾小路父の言葉に感じた、くすぶるような何か。
頑張っているけれど天才には叶わず、努力すれど本来の性質上立ち回りはうまくない。
人間味があるなと思います。
エスカレートして危害を加えられるかも知れないと思ったが、俺は何もしなかった。
いや、むしろ一度殴られて学ぶべきだと思った。
そして意外な冷酷さにギャップ萌え。
これは是非、綾小路の腹心として動いているのを見てみたいですね。
グループ行動の最難関・高円寺
「何だね諸君。私に対して羨望の眼差しを向けて。どんどん向けてくれて構わないよ」
言葉選びが相変わらずの高円寺です。
よう実のキャラになれるとしたら高円寺がいいなー。
人生楽しそう……
逆に、高円寺と同じグループになった橋本たちの不運がいたたまれません。
綾小路が橋本に何か提案していました。
おそらく自グループでも提案していた、問題児と別行動して翌日の自由行動を捨てる案だと思われます。
崩れかけている一之瀬
難儀なキャラクターです。
楽しかった修学旅行を一気に黄昏させるオチ担当、お疲れ様でございます。
非常に気になるのですが、この会話
「おまえには欲しいものがあるんじゃないのか?」
「……ダメ。私が欲しかったものは、もう……」
「手に入らなくなってしまったーーーか?」
「そんなものはどうにでもなる。と、オレはそう思うけどな」
綾小路のことでしょうか?それともAクラスになること?はたまた両方でしょうか。
思わせぶり~
一之瀬の壊れる時期まで調整しようとする、この男の怖さを感じます。
壊れかけている一之瀬に優しさや縋るものを与え、気を紛らわせることで長持ちさせようとしている……私はそういう風にとりました。
綾小路は「一之瀬を介錯する」、ということも以前述べていました。
「介錯」は武士の切腹をお手伝いする人を指す、物騒な単語ですね。
学年末試験、どんな展開になるのか。
怖いもの見たさで今から楽しみです
「一之瀬を介錯する」発言↓
よう実11.5巻ネタバレ感想。1年生編最終巻!軽井沢と交際!?
綾小路をめぐる策略について
最後に、ホワイトルーム関連の前提条件がひっくりかえるかも……?という、とんでもない疑惑がでてきたので、そちらについても言及しておきたいと思います。
「月城には、オレを退学させる意図など最初からなかったーーーそれが仮説だ」
オレがこの学校に入学することは、全て最初から決まっていたことなのかも知れない。
上二つに加え、松尾が死んでいない疑惑もあります。
今までの物語の肝は、
「綾小路は父親に反抗してホワイトルームを抜け、勝手に高度育成高等学校に入学した」為、父親からの刺客を回避しなければならない。
ということでした。
しかしこれが勘違いだとしたら……?
少し引っかかっていたのですが、綾小路の父はトイレにまでボディーガードを連れていくような、警戒心の強い男。
そして清隆を「最高傑作」として育て上げたのならば、家族としての情はともあれ「大切」ではあるのです。
その清隆がふらっと気づかれずに高育の入試を受け、入学してしまえた。
なんだか考えれば考えるほどちぐはぐで、罠のような気がしてきました。
誰が、どの時点で嘘をついているのか。
綾小路が暴いていくのを楽しみに待ちたいと思います。
- 気になっているコミカライズ版に
- トモセシュンサク先生の画集に
- よう実原作の未購入巻に
- 1年生編ガイドブックに(電子書籍でも連動SSは読めます)
ぜひ使ってみてください!
まとめ
よう実2年生編8巻試し読み|コミックシーモア今巻も最高でした。
中でもやはり男キャラが魅力的で、感想が長くなってしまいます。
さすが衣笠先生ストーリー……
書ききれませんでしたが、堀北・須藤・山村・星之宮先生等、印象深い所がたくさんありました!!
是非読んでみてください。
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