オレは、オレだけが最後に残っていればそれでいい。
ようこそ実力至上主義の教室へ0巻より
最初からずっと、その感情だけを頼りにこの世界で生きている。
よう実0巻ネタバレ感想記事です。
ようこそ実力至上主義の教室へ2nd SeasonDVD・Blu-ray1巻初回生産特典の0巻。
詳しく描かれたことが無かった、綾小路の原点「ホワイトルーム」、そして実の父親「綾小路篤臣」について……
発足理由からどのようなカリキュラムが行われているか……余すところなく描かれています!!
清隆のオギャアからの軌跡が見れ、高度育成高等学校を卒業した後の進路まで匂わせられ……

もう、情報詰まりすぎ!!
という感じでした。
以下、ネタバレありで印象的な場面と感想をお伝えします。
4期生として生み出された綾小路清隆

このホワイトルームが世界を変えるかもしれない。
ようこそ実力至上主義の教室へ0巻より
そう訴えかける俺の言葉に重みがほしい。
政治家・綾小路篤臣が、上司から任された教育プロジェクト「ホワイトルーム」……
清隆を成したのは、これを成功させるためでした。
清隆はどこまでも純粋に、政治の『手段』として生み出されました。

”恋愛婚”や”実は清隆を想う母親”は望み薄だと思ってはいましたが……
フィクションであってほしいけど……政界、実際どうなんだろ?
これこそ、まさに天啓の策だ。
ようこそ実力至上主義の教室へ0巻より
篤臣は全く後悔していません。
P167でやっと清隆視点

約半分に当たる167ページ。ここまで大人のみのやり取りだったため、0巻は本当に冒険した一冊だなと感じます。
まず最初に描かれたのは、2歳時の『グミ実験』。
「どちらの手にグミを持っているか当てる」というゲームでした。
清隆は『周りを観察する能力』『疑う能力』という点で、赤子のころから異常値をたたき出しています。
坂柳が考察していたように、ギフテッドめいた何かを感じさせます。
βカリキュラム

清隆及び4期生の教育として、これ無しで語れないのが「βカリキュラム」です。
元々作成されていた10段階のカリキュラムの内、最高難度のカリキュラムが特別に採用されました。
実質5・6段目が育成限界とみていたことから考えても、非常にヤバいものです。

天沢たち5期生は、おそらく「難易度4」が適用されています
何故こんなものをいきなり導入したか?それは
血がつながる我が子が在籍するからこそ、ひどい結果になっても支援者たちに言い訳がきくから。
なんども非人道的な考え方です。
こちらに脱落率等もっと詳しくまとめています▼
【よう実】志朗とは?再登場はある?ホワイトルーム出身者一覧も。
全てを飲み込むように吸収していく

「教えれば教えるだけ、全てを飲み込むように吸収していくのは何故だ」
「オレは教育を受け続ける。その果てに何が待つのか、知識の探求の先に何があるのか。
ようこそ実力至上主義の教室へ0巻より
それだけが知りたい」
清隆の異常な成長度合いに驚く篤臣。
父親のほうは、子供よりまだ普通の人間だという印象です。
清隆は元々成長・勉強といったものへのマニア的な探求心があり、そこに完璧な環境が適合してしまった形でした。

志朗のように「ホワイトルームから出る」という選択肢もあったけど、ずっとそこに居たんだよね
喜怒哀楽がゼロに等しい

脈拍測定装置(と思われるもの)により、清隆の喜怒哀楽がほとんどゼロということが判明しました。
元々嘘が得意でしたが、日常の些末事も偽の感情で取り繕っていた様子。

清恵のイチャつきも嘘ですね…
「必要だから役を演じている」「そうふるまっている」に近いと思います。
これに危機感を覚えたのが篤臣でした。
ロボットのような人間では、将来どのような道を選ぶとしても支障が出る……
「感情は不可欠」。然しその時には、既にホワイトルームで身につけさせることは出来ない状況でした。
もしかするとこれが『清隆を高育に入学させる』という選択肢に繋がった可能性もあります。

「清隆が篤臣の目を盗んで入学した」という前提が覆されるかも…!?
テストを80点に抑える意味

ホワイトルーム内で「100点取れるが80点に落とす」という行動をとっていた清隆。
これは…
トップの成績に合わせてテストの難易度が上がる仕組みを見抜く
➡脱落者が増えて観察できる人数が減る
➡自分の経験のロス
と考えての行動でした。

入試を50点で揃えたのとはちょっと違うけど…
似たようなことをやっていたと判明しました!
清隆の考えは、科学者たちにも理解できない領域に入っています。
バーチャルコンソール旅行

一年生編2巻に、「両親とニューヨークに行ったが楽しくなかった」という記述がありましたが
ということだったと判明しました。
「両親と」のところも、学習自体が物語形式になっている為、そういうシナリオだったのかもしれませんね。
清隆の将来

そして0巻では、「清隆の将来の職業」についても篤臣の展望を知ることができました。
それが……
- 今よりもっと完璧な人間を作り出すホワイトルーム『教育者』
- 篤臣の志を継ぐ『政治家』
です。
長期戦略をとるか(ホワイトルーム教育者)、短期決戦を挑むか(政治家)によって分かれますが……
清隆が将来求められている役割はこの二択のようです。

どっちも見たいけど……既に似たようなものを見せられている気がする……
その他の登場人物について

0巻では清隆・篤臣の他にも
- ホワイトルーム運営側の人物
- 政治家関係の人物
- ホワイトルームに出資している人物
- 清隆と同じ4期生の人物
なども描かれています。
主な箇所のみ、少しまとめてみます。
綾小路篤臣と阪柳成守の関係

一年生編7巻で初登場した綾小路篤臣と、坂柳の父・坂柳理事長(フルネーム:坂柳成守)の関係も明かされました。

上司と部下的なモノを想像していましたが、全然違いました…
成守はホワイトルームの『出資者』であり、寧ろ篤臣が下手に出るべき立場の相手でした。
(下手に出ているかはさておき)
出資にあたり、「ホワイトルームを見届ける」という条件をつけた成守。
しかし成守の倫理観に合わせ、闇部分は隠蔽されているようです。

えッ……いいように使われてない?
篤臣がホワイトルームのライバルともなる高育の弱みでも握ってやろうと考えていてもおかしくない……
そんな印象を持ちました。
「清隆」は母親が入れ込んでいたホストの名前!?

篤臣は高卒でホストとして働いていたことが判明。これは衝撃です。

あの威圧感で……?
清隆に似ていたら若いころはイケメンだったのかもだけど…
そして清隆を産ませた女・美香はキャバ嬢でした。
契約結婚ですぐに離婚した美香ですが、子供の名前を聞かれて口にしたのは入れ上げたホストの名前……
「それならーー清隆。清隆にして」
ようこそ実力至上主義の教室へ0巻より

両親ともろくでもないですね
しかし”清隆”というホストに入れ上げ、学は無いけど強かで有能……
なんだか聞いたことのあるような特徴ですね……
【よう実】綾小路篤臣を解説!美香との馴れ初めや目的まで|綾小路父
篤臣の懸念と野望

国のトップである総理大臣を目指す綾小路篤臣。
「ホワイトルームを盤石のものとし、国の組織図を塗り替えるだけの人材を送り込む。そしてその仕組みを根底から覆すつもりだ」
ようこそ実力至上主義の教室へ0巻より
ちなみに「その仕組み」とは60代、70代にならなければ国のトップになり得ないという仕組みです。
日本はこの点、諸外国からかなり遅れています。
篤臣は倫理観がかけており、ホワイトルーム関連以外でも犯罪に手を染めたりしていますが、政治に対する熱意は本物。
清隆も利用して、篤臣の野望が叶う展開は来るのでしょうか?
【よう実】綾小路篤臣を解説!美香との馴れ初めや目的まで|綾小路父
科学者:鈴懸鍛治

人間のメカニズムを解明したいと思っている」
ようこそ実力至上主義の教室へ0巻より
清隆のような無感情人間を作り出すカリキュラムを作成したのは、「鈴懸鍛治」という科学者でした。
ホワイトルームの科学者リーダーです。
登場時スペック(清隆が生まれる前):不精髭・29歳・東大主席・渡米して人間観察をしていた
まごう事なき変人でしたが、清隆に対する親のような複雑な『想い』も。
「俺が生み出したあの子の最期は……その死に際幸せを掴んでいるのだろうか……」
ようこそ実力至上主義の教室へ0巻より

上は、ホワイトルーム凍結の際の記録です。
そしてやはり、「清隆がホワイトルームの教育者になる将来を見てみたい」という想いもあるようです。
「仮に清隆が俺の代わりにここに立ち育成する立場になれば、その子供たちは、コップなどではなくペットボトルにように大きくなっていくのではないか。……俺はその過程を是非見たいと思う」
ようこそ実力至上主義の教室へ0巻より
篤臣より親っぽい感情を持った人物。
いつか挿絵が描かれると嬉しいなと思います。
天沢父登場!

篤臣が開いていたホワイトルームの資金集めパーティー。
そこに天沢の父が現れましたが、なんというか……とてもクズでした。

でもしゃべり方とか軽さが一夏に似てる……
篤臣は「趣味が悪い」と思いながらも、一億ポンと出してくれる上客なので丁寧に対応していました。
一夏は試験官ベビーですが、天沢父(天沢社長)は「浮気相手との子供もホワイトルームに入れたい」と言っています。
親元に戻っても幸せにはなれないと思われますが、いつか妹or弟との対面があるかも知れませんね。
神崎エンジニアの息子・神崎

2年生編8巻のモノローグで明らかになっていた、篤臣&子供時代の神崎の対面。
0巻では篤臣視点でもっと詳しく語られています。
「神崎エンジニアの息子」としてパーティーに連れてこられていた隆二。
父親が教育に熱を入れ、空手黒帯の実力もあるのだとか……。
これからこのスペックが生かされる日は来るのでしょうか?

一之瀬クラスだから披露する機会がなかったってこと?
WRプロジェクト終了

直江の政治都合により締結されたホワイトルーム。
篤臣は諦めず、長期戦(直江の病死待ち)を狙う模様です。
(実際2年生編8巻の修学旅行編で死亡のニュースが流れました)
そして直江を破り総理となった鬼島……よう実は政界の権力争いにかなり引っ張られた物語です。

「一度ホワイトルームに注力するしかない」という状況に追い込まれた篤臣。
いつか下克上を狙っています。
【よう実】綾小路篤臣を解説!美香との馴れ初めや目的まで|綾小路父
まとめ
『ホワイトルーム』には政治的思惑や綾小路篤臣の野望が詰め込まれている…という濃い一冊でした。
篤臣を取り巻く政治的思惑、科学者たちの情熱、個人的な予想を超えてきた清隆の異質な素質。
本編の真相(バックグラウンド)が見える、大事な物語……!!
これを読む事で、やっと「清隆という人間」やその「何人もの人生を左右する影響力」が想像できると思います。

よう実好きには絶対読んで欲しい一冊です!

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コメント
特典つながりで『ようこそ実力至上主義の教室へ1年生編 Short Stories』も紹介してほしい
『2年生編 Short Stories』も出る場合、○.75巻や○.25巻の扱いはどうなるんだろ
○.75巻や○.25巻は文庫本と同じサイズにして収録してほしい
Short Storiesいいですよね!
ただ2年生編終盤の今になると、結構伏線回収されてるものも多いかも?
2年生編出て欲しいですね~。
2年生編終わったらワンチャンあると思います!