真っ白なスケッチブックに一滴の色が付いた、そんな感覚だろうか。
「なんでオレは笑ったんだろうな。おまえも笑ったなら分かるのか?」
2023年10月25日発売『ようこそ実力至上主義の教室へ』通称『よう実』2年生編10巻ネタバレ感想記事です。
よう実2年生編10巻試し読み|コミックシーモア今巻では2年生3学期最初の特別試験…【生存と脱落の特別試験】が行われます!
2年生だけ、雑学クイズのようなシンプルな試験。
逆にキャラクターたちの感情や行動が複雑で、やらかす奴多いなぁ…と感じた巻でした。
以下、ネタバレありの感想記事になります。
生存と脱落の特別試験
まずは今回の特別試験の概要をさっくりみていきましょう!
ルールと結果
雑学クイズのようなもの。
各クラスはジャンル・難易度を選び、対象クラスに出題します。
携帯電話使用OK
【前半10ターン クラス配置】
堀北➡一之瀬➡龍園➡阪柳➡
【後半10ターン クラス配置】
坂柳➡龍園➡一之瀬➡堀北➡
【報酬と順位】
1位 クラスポイント100…龍園Dクラス
2位 クラスポイント-50…一之瀬Cクラス
3位 クラスポイント-50…堀北Bクラス
4位 クラスポイント-100…坂柳Aクラス(退学者・神室)
なんと!龍園さん勝利です
各クラスの戦略
「この特別試験は、手を組まれたらとても厄介になる」
「携帯が使用可能」を鍵に
- 橋本が裏切り龍園に情報をリーク
- 龍園と一之瀬で協力関係
- 堀北にも一之瀬からフォローが入る
- 坂柳が最下位に
という結果になりました。
龍園と一之瀬の協力関係は…
一之瀬➡龍園
一之瀬クラスから退学者が出ないようにしてほしい
龍園➡一之瀬
得点をやるから黙って受け取れ
というもの。
一見一之瀬に得しかないような取引ですが、勝つだけではなく坂柳を最下位に落としたい龍園。
そのためには一之瀬・堀北にも阪柳を上回ってもらわなければならない…。
意図を理解した一之瀬は軽井沢を集中攻撃し、守りやすくすることで堀北に点を与えます。
坂柳は対処しなかったのか?
龍園へのリークが明らかになっても、坂柳が携帯を取り上げたり、教室内を捜索することはありませんでした。
出てきた証拠を押し付け合う事態を最悪と想定。
3位を狙いますが一之瀬が堀北をアシストしたこともあり、敗北してしまいます。
5名の脱落者からくじで当たりを引いてしまった神室が脱落となりました。
- 関連記事:神室表紙の1年編9巻▼
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綾小路の笑顔!?【堀北】
リーダーとしての堀北を補助する綾小路は、堀北に問いかけます。
勝てば伊吹澪が退学する。この場合勝つ、負ける、引き分ける…どれを選択するか?
仮定の話ね
「……クラスが勝利するためよ、特定の誰かが伊吹さんでも勝利を選ぶのは当然のこと」
迷いは隠しきれずとも、勝利を望む堀北。
しかしこの質問の本質は、「他クラスのことを意識として捉えろ」という話でした。
どういうこと?
例えば「自分に合った敵の落とし方」とは何か?
誰であっても容赦しないのか、逆に落とすことを考えない方が迷わず戦えるのか。
強い所・弱い所を落とすか、相手の嫌がる人物を落とすか…
「漫然と戦うな。意識しろ。それだけで見えてくる世界は大きく変わってくる」
こんな助言をする綾小路に、堀北は興味を持っていきます。
「……どうすればこんな人格が生まれるのかしら。あなたはどんな子供だったの?」
これに応えない綾小路。
ピンナップのシーンに移ります。
🌸10月25日発売🌸
🏫ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編10🏫
“Classroom of the Elite 2nd Year” Vol 10 Light Novel pinup illust#よう実 pic.twitter.com/nV8Hzm5lrC
— 桜ヶ丘すず🌈(『よう実』『リゼロ』『でたらめちゃん』etc🌸担当編集Iさん宣伝アカウント) (@ike_edi) October 6, 2023
「いえ……その……今……綾小路くんがちょっと笑ったから……」
おぉ!!?
真っ白なスケッチブックに一滴の色が付いた、そんな感覚だろうか。
「なんでオレは笑ったんだろうな。おまえも笑ったなら分かるのか?」
だが堀北は視線を逸らし、慌ててこう答えてきた。
「そ、そんなこと真面目な顔して聞かれても私には分からないわよ」
おおおおおぉ!!!!!
初めて自然に揺れた綾小路の感情。
2年生3学期になってやっと、二人の関係が穏やかに変化していく予兆を見せました。
ゲームチェンジャー【橋本】
今巻のゲームチェンジャー・橋本。
坂柳を裏切り試験中、携帯で坂柳の選択を全て龍園に流すというとんでもないことをやらかしました。
これにより阪柳クラスは最下位。坂柳の右腕・神室を失ってしまいます。
何故そんな行動に出たのか?
Aクラスで卒業したい
「俺を裏切った連中を見返す」
橋本には、Aクラスで卒業するという強い意志があります。
情報収集のために(堀北クラスの)前園とも付き合います。
しかし過去の詳細は明かされませんでした。
渡辺よりこっちの過去話くれよぉ…
ヒントになるのが「トイレで心を落ち着ける」という習慣。
原点へと帰る場所。逃げ場の少ない学校の中で、最も重宝した救いの場。
中学で何かあったのかな
坂柳との確執
橋本が仕入れてきた情報を「余計だ」という坂柳。
坂柳は助けを嫌う。自分で集めた情報と自分の頭だけで戦いたがる。
だからこうして、思わぬ形で情報を提供されたことに苛立った。
最善じゃないにしても、多少なりスカッとするぜ。
試験前からリーダーと部下の相性は最悪でした。
坂柳も龍園も、Aクラスで卒業することに対して本物の熱意がありません。
ただ勝気な性格が現在の状況を生み出しているだけ。
どうしても勝ちたい橋本は「綾小路の引き抜き」を望みますが、それが余計に坂柳の怒りを買い…
ついにお互い退学させる宣言で、決裂は取り返しのつかないものになりました。
神室が退学に【坂柳】
冷酷さの中に隠しきれない人情が見えたキャラクターでした。
「誰が居なくなっても問題ない」と退学者をクジで選ぼうとする反面、
山村がくじ引きに怖気づくと「引くのを拒否した」と強引に退学に持って行こうとします。
神室を庇った結果だね
「裏で山村を重宝している」という情報に動揺していた神室。
この行動でモヤモヤは晴れたことでしょう。
神室は自分と同時に山村にくじをひかせ、自らが退学になりました。
この落ち着きよう…山内と差がありすぎでは!?
試験後、橋本を呼び出して裏切りを暴いた坂柳。
目星がついていたからこそ、試験中に騒ぐと証拠隠滅の恐れがある厄介な相手とみていました。
綾小路を引き入れたい…そんな橋本の身勝手な希望に、坂柳は怒ります。
「あなたが綾小路くんの何を知っていると言うんですか」
カン!と杖の先端が力強く床に打ち付けられた。身勝手に大きく綾小路に入れ込んでいる目の前の男が許しがたかったのだ。
綾小路の出生すら知らぬ凡夫が彼の何を語るのだと。
おお!熱い!!
今まで綾小路の意志を尊重してきた坂柳に対し、橋本の主張は地雷。
この後神室と「クラスを裏切った奴に同じ道を辿らせる」と約束したこともあり、
橋本を退学させるために動き出します。
「どうやら私の中で真澄さんは、いつの間にか友人になってしまったようです」
行動や表情から寂しさが隠せない坂柳。
友人の退学を受け、坂柳はより成長していきます。
手段を問わない【一之瀬】
神崎と渡辺が話があると綾小路の部屋を訪れ、後から一之瀬&網倉が合流します。
ところがこれといった話無しに帰る面々。
これはただ綾小路に会いたいだけの、一之瀬の戦略でした。
「行けるかどうか分からないから伏せおいてほしいと(一之瀬から)言われていたが、ちょうど綾小路と合流したことを伝えると来られると反応が返ってきた」
神崎は綾小路に警戒させない為、使われたようです。
だーれが「行けるかどうか分からない」だよ…
来ないわけないのはわかってるんだよ…
「ごめん綾小路くん。私携帯を忘れちゃったみたいで……」
わざとですよね???
解散した後戻ってくる一之瀬。
わざとだと白状し、「気持ち悪くないか」と綾小路の様子を伺います。
嫌悪感をみせればそこで終了。ところが綾小路は…
より興味深い対象になりつつある。
この野郎!!!
「これは事故だよ……躓いて、転びそうになったのを助けてもらっただけ……だよね?」
「ああ。それを否定する材料はどこにもない」
………ほぉ?
一之瀬の好きにさせようとする綾小路ですが、そこにノックせず入ってきたのが渡辺でした。
渡辺は慌てて立ち去ろうとしますが、落ち着いた一之瀬に引き留められ…
「渡辺くんは悪意ある人じゃないと良く知ってる」「軽井沢さんが知ったら強く悲しむ」などと、口止めされます。
そして恋愛の難しさに理解を見せた渡辺に対し、
「麻子ちゃんのこと、好きなんだよね?」
と、恋の応援という取引を持ち掛けます。
「もちろんだよ。まずは麻子ちゃんと丁寧に距離を詰めるところから始めないとね」
「あ、ああっ!」
渡辺ェェェェェ!!!!!
あまりにも手段を選ばない女となった一之瀬。
とんでもない方向に、進化を続けています。
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コミックシーモアで試し読み
伏線【みーちゃんと高円寺】
みーちゃんが引きこもっていた際(2年生編6巻)に、毎日差し入れしてくれたのは高円寺だったと判明します。
5巻後の今さら?
当時のコンビニ店員が異動で…と紆余曲折あったようです。
「だがまあ、高円寺ならお礼せずスルーしてもいいんじゃないか?」
「え、えぇっ!?だ、ダメですよそれはっ!」
「ダメか」
みーちゃんは義理堅いので、お礼をすることになります。
「私に何か用かな、ワンガール」
新たなる高円寺語録登場
しかし話しかけるも「急いでいるから」と断られ…尾行することに。
迷惑が服を着て歩いているような相手になら、気にしないでいい気もしている。
綾小路に罪悪感なんてありません(笑)
3年Bクラスの榎島翠子と、カフェで数分会っていた高円寺。
「思いの外早く終わった」と言っていましたが、何をしていたのでしょうか?
再度高円寺に声をかけるみーちゃん&綾小路。
差し入れした理由について尋ねると…
「私は偽善は嫌いさ。しかし義を軽んじるわけではない。偽りなき恩を受けたと感じればそれを返すのは当然のことと考えている。それだけのことだよ」
つまりみーちゃんが何かしたと?
みーちゃんに心当たりはない様子。
お礼も、差し入れ代金の支払いも断られてしまいます。
「生憎と今の私はお金にも困っていないものでね。いらないよ」
この発言に綾小路は違和感を覚えます。
浪費家なのに…?
断るための嘘でしょうか?
そして高円寺が去った後、綾小路にみーちゃんは何かを言いかけて止めました。
この「いいかけたこと」は、
- 強めな言い回しをした綾小路に何か思ったのか
- 高円寺の発言に何か引っかかるところがあったのか
どちらか分かりません。
不明なことが多いね
まとめるとこんな感じです↓
- 高円寺は3-B榎島と何をしていたのか?
- みーちゃんは過去、高円寺になにをしたのか?
- 高円寺は何故金欠ではないのか?
- みーちゃんは言いかけたこととは?
動き出す予兆【綾小路】
今巻いかんなく天然っぷりを発揮した綾小路。
試験でタピオカ問題・レッサーパンダ問題を間違え、脱落にリーチをかける抜けっぷりでした(笑)
でも「タピる」は古いんよ
しかし真面目な話も。
印象的なのは坂柳に話した自らの行動原理です。
「オレの目的は各クラスに最大限ポテンシャルを引き出させることにある。そのためには龍園だろうと一之瀬だろうと、坂柳だろうと干渉する」
うすうす分かっていたことではありますが、学年全体を強くしようとしている綾小路。
そして大きく行動を起こすのは学年末試験です。
軽井沢恵のこと。
一之瀬帆波のこと。
そしてクラスのこと。残された学校生活、周囲の記憶に残る存在になるための行動を始める。
クラスを移動すると見てまず間違いないでしょう。
クラス移動に伴い軽井沢と別れるということもあり得ますし、
一之瀬に何かを伝える約束もしています。
南雲会長も忘れないであげて…
次巻からの綾小路の行動に注目です。
- 気になっているコミカライズ版に
- トモセシュンサク先生の画集に
- よう実原作の未購入巻に
- 1年生編ガイドブックに(電子書籍でも連動SSは読めます)
ぜひ使ってみてください!
まとめ&考察
よう実2年生編10巻試し読み|コミックシーモア初めての坂柳の明確な負け。
以前『葛城と学籍番号が被っている山内』が退学しましたが、今回は『伊吹と学籍番号が被っている神室』……
退学者は操作できるものでもありませんが、何か意味があるのでしょうか?
そしてAクラスに亀裂が入ることで混沌とするのが「綾小路のクラス移動先」です。
綾小路ですから、沈んでいるクラスに移動するはず…
沈んでいたが持ち直してきた一之瀬クラス。
今回絶好調だが、クラス能力は最下位な龍園クラス。(さらに坂柳が龍園退学を目論んでいる可能性あり)
しかし坂柳の退学などがあれば、Aクラスも視野に入ります。
今巻で「どこに移動してもおかしくない状態」ができあがりました。
面白くなってまいりました♪
四面楚歌の橋本はどうするのか?
(個人的には簡単には退学になってほしくないなと思っています。)
今までで圧倒的にヤバい行動をとった一之瀬に対して、読者はどう思うのか?
(個人的にはちょっときつかったです。)
次巻も要チェック!
コメント
一之瀬が完全に闇堕ちしてますね…
今回挿絵が各クラスのリーダー全員分あって印象深かったんですけど(特に坂柳と一之瀬の表情とか)あの狭いページの中に龍園だけ2回挿絵があったのも作者の意図なんですかね?
順番的には森下→「坂柳→龍園→龍園→一之瀬→堀北」→神室&山村→ひより→坂柳&橋本
一之瀬ヤバいですね…
「ごめん!軽井沢さん!」にゾッとしました。個人的にはあそこが一番怖いです。
龍園は今回試験トップというのもあるかと思いますが、現時点でクラス的には一番危うい存在。
もし退学する前のサービスだったら…と思ってしまいました。深読みしすぎだと願います。
自分も坂柳と橋本は対立関係にあると思ってますがどうやらそう考える奴は浅いと噛み付いて来る輩が多くて…
何でも橋本はリーダーとしてクラスを勝たせる意思を持たせるため、自分のクラスをAクラスとして卒業する為にやった、それがわからない奴は橋本の熱意を何一つ読み取れてないらしいですがどう思いますか?
確かに橋本の裏切りは、坂柳にクラスを勝たせる意思を持たせる為の行動です。しかし裏切り後の坂柳の反応を見て、それは無理だと橋本は悟りました。元々合わなかった二人は完全に対立関係になりましたね。
どちらの意見も正解だと思います。しかし他人の意見に強く噛みつくのはちょっとキツイ人ですね。あまり相手にしない方がいいと思います。
軽く読み返してわからなかったんだけど、情報漏れてパーフェクト取られたなら、相手の指名を時間切れでランダムにすれば最高の指名はできなくても一応盗聴対策になるんじゃないの?って疑問があるんだけど、なんでそれをせずに延々パーフェクト食らってたのかがわからん。気が付かなかったなんてしょうもない理由じゃないよね?
そこまで考えませんでした…!凄いですね。読み返してみました。
坂柳が選ばずランダムになっても、誰がランダムで選出されたのかは教師の後ろのモニターで発表されるのではないでしょうか?
そこから3分間、今度は龍園が選択する時間、どうしてもリークの時間は免れない…。
多分こういうことなのかなと思います。
坂柳は神室ではなく町田とかを退学させたほうがよかった
神室を切り捨てた事が学年末試験で響きそうな予感する
神室退学してすぐ坂柳退学とか笑えない…
でも無さそうだからこそ逆にあり得る気もします