『ようこそ実力至上主義の教室へ』通称よう実。
MF文庫Jから発売されているライトノベルで、2024年11月に「2年生編」が終了。
遂に3年生編に入っていきます!
1年生編が計14巻で、2年生編が計15巻…
ここまで合計29巻です!
この記事では、
- 改めて「よう実」の1・2年生編のあらすじをおさらい
- 3年生編の展開について伏線から考察
していきます!
※2年生編最終巻までのネタバレにご注意ください。
3年生編の考察だけ読みたい方はこちらから
よう実はどんな話?2年生編までのあらすじを簡単に
まずはよう実の2年生編までがどんな話だったのか?あらすじを簡単にまとめていきます。
アニメしか見ていない人にもわかるように解説していきます!
前提:高度育成高等学校と綾小路清隆
物語の主人公・綾小路清隆は、父親の目を盗んで「東京都高度育成高等学校」に入学しました。
ここは非常に特殊な高校で、
- 日本政府主導の、優秀な人材育成のための施設。
- 全寮制で基本的に卒業まで外には出られない。
- 学費無料。プライベートポイントが支給され、日用品等はそれで購入できる。
- A~Dクラスに配属されてクラスポイントを競い合う。
- Aクラスで卒業できた場合のみ、望む会社or大学に入れる。
といった特徴があります。
「日本政府主導の」とかも、綾小路の生い立ちに関係してきます…
事なかれ主義に過ごした一年生編のストーリー
原作1巻~11.5巻まで、計14巻の1年生編。(4.5、7.5、11.5巻あり)
この1年生編で綾小路は「普通の生徒」を目指し、「極力静かな生活」を送りました。
担任が父親の名前出して脅したり、保身上動かなきゃいけない試験があったり、龍園とは真っ向から勝負したし…例外は多々ありますが比較的大人しくしていました!
その上で
- 綾小路が高育に入る前にいた教育施設「ホワイトルームについて」
- 綾小路の隠された実力
が気になる展開になっています。
ところが終盤、卒業していく生徒会長・堀北学が綾小路に残した「生徒たちの記憶に残る存在になれ」という言葉により、綾小路の意識が変化。
「自分を記憶に残すためにできることは何か?」➡「生徒たちを育成・成長させ競わせて、より高みを目指させる」
ということで……
目指していた「平穏」から逆方向に舵を切り始めます。
綾小路は将来的にホワイトルームの教育者になるよう育てられたから、「成長するよう働きかける」のは得意なのかもね…
クラス内の成長を促す2年生編のストーリー
原作1巻~12.5巻まで、計15巻の2年生編。(4.5、9.5、12.5巻あり)
2年生編で綾小路は、主にクラス内を成長させることに励みます。
他学年・他クラスの生徒たちの大きな動きには注目していますが、中心はクラス内です。
その上で
- 綾小路の父・篤臣から、綾小路を退学させるためにホワイトルーム生の後輩(刺客)が送られてくる
というイベントもありましたが、あくまでおまけ的な要素に落ち着きました。
綾小路は実力を小出しにして自分の影響力を上げながらも「クラス全体が成長しなければ意味がない」という指針で……
徐々に堀北をはじめとするクラスメイトに干渉していきます。
クラスを裏切る存在を退学させようとしたり(実際退学させたり)したため、綾小路を気味悪がる生徒もでてきますが、
一方で、強い味方として頼りにする生徒も。
クラスの主要部分からは、特に頼りにされています!
ところが終盤にかけて友人や恋人を切り離し、綾小路は孤立を選びます。
これは、「堀北クラスを集中的に成長させる」過程から、次のステップに移行するための準備でした。
実際、2年生編最後に堀北クラスはAクラスに躍り出ました!Dクラスからの凄まじい成長!
「生徒たちを育成・成長させ競わせて、より高みを目指させる」
「競わせる」ということは、他クラスも成長させる必要があります。
綾小路がやりたいのは、卒業時まで下位のクラスも戦意を失わない「四つ巴」の対決。
2年生編最後、綾小路は坂柳が退学してCクラスに落ちた、元坂柳クラスに移籍します。
ジャンル的には何?
ライトノベル「ようこそ実力至上主義の教室へ」のジャンルは何なのか?
これは複数が欠け合わさった複雑なものとなっており、
- 政治も絡んだ学園もの
- 知能・心理戦(時に暴力あり)
- 恋愛
- 推理
と言った要素が混ざっています。
ちなみに「推理」ですが、一番の推理要素は、主人公・綾小路の思惑について。
何がしたいのか?実際に何をしているのかが難解で、理解するために考察を必要とするキャラクターとなっています。
3年生編の内容は?伏線から徹底考察
では3年生編はどのような内容になるのか?
2年生編が終わった現在の状況で、伏線や情報をまとめて考察していきます。
クラスポイント勝負からの離脱を許さない綾小路
2年生の末、3月のクラスポイント(CP)は、以下の通りです。
注目すべきは
- Aの堀北クラスとDの一之瀬クラスには500CP以上の差がある。
- リーダー不在のCクラスと一之瀬クラスが特に引き離されている。
ということ。
残り1年でAクラスとのCP差が埋まりそうにない場合、
「移籍に必要な2000万PPをクラス全体で集め、1人…できれば数人をクラスから選んで勝ち抜けさせる」
という戦略を検討する必要があります。
クラス全員は無理そうだから、せめて数人でも…!ということだね
しかしこれは実質クラス単位での勝ち上がりを諦めるということ。
- 「PPかCPどちらかを選ぶ」という報酬がある
- 「PPを消費してでもCPを取りに行くのか?」という状況に陥る
ことを考えると、戦略として選べるのはどちらか1つです。
しかし「PPを貯める戦略に切り替える」ことを、綾小路は旧坂柳クラス・一之瀬クラスに選ばせませんでした。
綾小路の望み「四つ巴の戦いがしたい」は、「4つのクラスを最後までCPで戦わせたい」だからね…
12.5巻ではそのために一之瀬、そして旧坂柳クラスの森下&山村と接触し、戦略への合意を取り付けています。
結果……
- 綾小路の移籍に2000万PP近くを吐き出した旧坂柳クラス
- 「クラスを引っ張り上げる」と発言した一之瀬
と、下位二クラスは「PP戦略」を捨てたと判断して良いでしょう。
【考察】綾小路の実行したい戦略とは?
では「約500CP引き離されている堀北クラスに、旧坂柳クラス&一之瀬クラスが追いつく戦略」とは何なのでしょうか?
綾小路には確かな道筋が見えていますが、読者には隠されてます
ですのでここからは個人的な考察になりますが……
綾小路は、4つのクラスのCPを1度揃えようとしているのではないでしょうか?
この根拠となるのが、一之瀬がクラスメイトに話した言葉
「だけど約束する。Aクラスを賭けた勝負が出来る状態にまでクラスを引っ張り上げてみせるって」
ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編12.5巻、305pより
と、山村の問いに対する森下の見解▼です。
「勝てる勝率は……どれくらい上がるんですか?」
ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編12.5巻、173pより
「前回は10%だと言いましたが、実現すれば最低でも25%です。潜在的な期待値を入れればもう少し高い数値を望めるかも知れません」
25%というと、4分の1。
4クラスから平等にひとつを選んだ数値です。
つまり横並び状態にできれば、この「25%で勝てる」という予想が出てきたのも納得できます。
「潜在的な期待値を~」も、確かに元坂柳クラスはトータルで優秀ですからね
一之瀬の発言にしても、「4クラス横並び戦略」であれば、現実的な言葉となっています。
具体的にどんなことをするの?
「4クラス横並びになるまでの協力関係」を結んだとして、具体的にどういったことをするのか?
例えば……
一之瀬クラスの勝率が高い試験なら、旧坂柳クラスが囮として堀北クラスを妨害する・一之瀬クラスに人材を貸し出す…などが考えられます。
最下位ペナルティが大きい試験なら、一緒に堀北クラスを最下位に落とす方法を練ることになるでしょう。
試験内容によってその時々で考えていかないといけないので、「対話」が不可欠です。
「その選択を実現するためには、互いを適切な距離に保つ必要がある。対話無しでは始まらないからな」
ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編12.5巻、276pより
どちらかのクラスに負担が偏れば、PPの受け渡しで調整することも可能です。
そして龍園クラスとCPが並んだところで、龍園クラスも取り込む…
ここで龍園が乗ってくる状態にできるかは、腕の見せ所かな?
他にも「この契約は〇月まで」等、細かく詰めたところはあるかと思われます。
しかしそもそもの話、この戦略には「毎回合同戦略を決めるリーダー」が必要不可欠です。
森下も懸念していました。
坂柳が退学、葛城は龍園クラスに移籍したので務められる人がいない…
一之瀬・龍園と対等に対話できる人物。
そこに綾小路が立候補したならば……
旧坂柳クラスが、綾小路の移籍の為にPPを大量放出しても納得がいきます。
この「4クラス横並び戦略」を考えたのは一之瀬?
1つ大切なこととして、この「4クラス横並び戦略」(勝手に命名)を考えたのは、綾小路ではなく一之瀬の可能性が高いということです。
綾小路が我が物顔で流布してるけど…??
具体的には2年生編12.5巻「約束の夜」。
3月30日での綾小路との対話で思いついたのではないでしょうか?
一之瀬は今日初めて微笑み、首を左右に振って否定した。
ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編12.5巻より
そして自らが想像した道なき道を言葉で示す。
4クラスの均衡を実現するための方法を、自らの思考で提示する。
望んでいた1%の答えに辿り着く。
「それが……おまえの望む答えか」
「私は間違ってるかな」
「ーーーいや」
言葉を失い、オレはすぐに続けることが出来なかった。
ちょっと長い引用になりましたが、一之瀬が示したこの戦略は、「綾小路すら持っていなかった答え」でした。
かなり驚いているもんね…!
この会話の前に、一之瀬は綾小路から
- 「生徒たちの記憶に残るために移籍したい」という綾小路の望み
- 「移籍の2000万PPを集めることは難しくない」という言葉
を聞いています。
つまり「綾小路に元坂柳クラスに移籍してもらい、完全に手を組む」という提案は、綾小路の希望にそったもの。
決して一方的に得をする提案ではありません。
そして一之瀬がこの戦略を思いついたのは3月30日。
綾小路が森下たちに戦略を話したのは、坂柳が学校を去った3月31日。
時系列も合致しています。
まとめ
よう実はどんな話?1~3年生編についてまとめると……
- 1年生編は全14巻で完結。綾小路は基本的に静かに暮らしていた。
- 2年生編は全15巻で完結。綾小路はクラス内を成長させるために動いていた。
- 3年生編は2025年スタート。旧坂柳クラスに移籍した綾小路が、四つ巴の戦略の実行に動くと考えられる
ということでした!
他にも気になる要素
- (おそらく学校外から)綾小路に弱みを作るために動く坂柳
- 父親からAクラス卒業を条件に出され、本気を出してくるであろう高円寺
あるので、そちらについても追々予想していければなと思っています。
- 気になっているコミカライズ版に
- トモセシュンサク先生の画集に
- よう実原作の未購入巻に
- 1年生編ガイドブックに(電子書籍でも連動SSは読めます)
ぜひ使ってみてください!
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